論文試験対策の概要について

 この記事では、論文試験対策の概要について扱います。まずは、論文試験は、特許法・実用新案法、意匠法、商標法の3つの試験があります。制限時間は、特許法・実用新案法で2時間、意匠法と商標法とのそれぞれで1時間半ずつです。論文試験は、合計5時間の試験が1日で実施されるため、かなりの長丁場になります。

 対策としては、大きく3つになります。一つ目は、短答試験と一番異なる点で、答案の筆記能力になります。これは、知識とは関係なく、試験時間の5時間を自分の手で書き続ける能力です。一見大したことがなさそうですが、近年では、通常学校を卒業してしまうと自分の手で文字を書くことは少ないはずです。都合で、実際に書いてみると、そもそも字が書けなかったり、簡単な漢字すら出てこなかったりするパターンがあります。

 字が汚い場合は、当然採点者が読めないと点数になりません。また、きれいに書こうとして書くのが遅くなる場合は、せっかく起こした答案構成を描き切る前に時間切れになったりします。このため、地味ですが、重要な点であり、予備校等に通っても鍛えることができない部分です。これに対する対策は、ある程度自分で向上させていくしかありません。受験生の間でも、本試験が近くなると、どのペンを使うか、なんていう話題があるくらいです。

 二つ目は、インプットです。短答試験と一番異なる点は、完全な筆記試験のため、暗記の比重が増えます。具体的には、メジャーな判例、出題論点ごとの典型的な解答例の型、条文の位置等になります。

 メジャーな判例は、ほとんどそのまま解答用紙に書く必要があるので、何度も完全に覚えるまで繰り返す必要があります。コツとしては、判例内にメジャーなキーワードがあるので、まずはそのキーワードを再現できるようにするのが楽です。

 出題論点ごとの典型的な解答例は、いわゆるレジュメの形で配布されているので、丸ごと覚えてしまう必要があります。アドリブでも良いとは思いますが、例えば、特許法において、拒絶理由に対する応答を書くような問題が出たとします。良く出回っているレジュメ等では、意見書、補正書、分割、変更、優先権の主張、別出願、放棄取り下げ等になっています。ここのような場合に、アドリブで、例えば分割を落としたりすると、その分の点数が下がります。ここで問題なのは、特に設問で分割の場合に特別な論点がさらにある場合に、分割を落としてしまうと、おそらく合格点が付きません。

 逆に分割だけ書いた場合は、他の措置について検討していないので、その分の点数が入りません。論文試験は、このように広くざっくり書くのが大失敗しないコツなので、諦めて出回っている典型論点のレジュメは、早めに暗記したほうが良いです。

 条文の位置は、分かりやすくそのまま条文の位置です。論文試験においては、めったに出ない論点だけど、条文をそのまま書き抜いて緩く当てはめれば、そのまま点数になるようなサービス問題があります。このような問題は、条文の位置がすぐ出る人は瞬殺できる一方で、条文の理解が足りない人は、条文の頭から探していくことになります。また、この手の条文は、大抵法則性のない変なところにあるので、探すのに非常に時間がかかります。都合で、対策としては、典型的なこの手の条文はある程度決まっているので、事前に確認しておくしかありません。パターンとしては、例えば特許法では、PCT絡みとかが多いです。

 三つ目は、アウトプットです。採点基準は、人によってまちまちですが、とにかく答練や模試に出しまくるしかありません。こちらも、重要な点は、短答試験と同様で、答案でアウトプットできなかった論点は、できなかった個所としてチェックして、インプットし直すという点です。頻出論点ごとの答案構成例と、判例集とのレジュメを用意して、できなかった個所をどんどんメモしていき、何度も見直すのがお勧めです。

 この際、点数はあまり気にする必要はありません。論文試験の場合は、答練等で、明らかに出題する意味がない論点等を混ぜてくる場合も多いためです。具体的には、素点が大したことがないのに、偏差値だけは普段通りだった場合等です。

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事務所で働く一応弁理士です。 国内特許系メインの日々の業務とか、試験対策ネタとか書いています。 受験時代は某L社系列の某B,M講師をメインに習っていました。 Copyright (C) 2010 - 2017 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.

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